青のレクイエム
第2話 漆黒のディスティニー

MIDDLE PHASE

◆Middle01◆桐生白雪

GM:何があったのかUGNに報告して。
白雪:すぐには動けないですよ〜。何かあるかもしれないし。とりあえず電話をして、場所は動きません。
GM:では連絡を受けて研究所から人がきます。
GM/健部:「やぁ、白雪。どうしたんだ?」小走りに駆けてきます。
白雪:わてわてわて。あ、あのですね。ジャームみたいな、実験体みたいなのが来てですね、何か言いたそうにしながら崩れて溶けてなくなってしまったんですぅ〜!
GM/健部:「……あ?」
一同:(爆笑)
GM/健部:「大丈夫か、お前? ちょっと落ち着け。だってお前、ここ学校だろ」
白雪:だぁって〜、なったものはなったんです〜。
GM/健部:「ん、分かった。とりあえず研究室来い」

 そのままではじっくり話がきけない、と場所を研究所に移動。

GM/健部:「で? 何がどうしたんだ? もう1回ゆっくり話してみろ」
白雪:ですから、誰もいないときにジャーム……にしては自分の意識がしっかりありそうな……失敗した実験体のような、なんかそんなとろけた……。
一同:『とろけた』?(笑)
白雪:とにかく身体がどんどんとろけていって、消えてしまったんです〜。
GM:『溶けて』でいいじゃん。『ろ』いらんやん(笑)
白雪:や・だ!
どこかの瑠璃:『ろ』が重要らしい(笑)
白雪:だって感情が「同情/憐憫」だからちょっと柔らかな表現を……。
GM:より質感が生々しくなっている感がいなめないんだが(笑)
白雪:ふえぇ〜ん。とにかく、そんなのが現れてですね、何かを言おうとしていたんですけど、私呼吸法で言葉を判別することはできませんので……。
GM:できる人いるのかなぁ(笑)

 せめて読唇術にしとけ?

GM/健部:「しゃべろうとはしたんだ」
白雪:はい。でも声帯が発達していないのか、単に声が出なかったのか。
GM:それに関しては【精神】……<知識:医学>で振ってみてください。
白雪:(ころころ)8。
GM:んー、ちょいとわからないね。
白雪:……私、専門外ですの。
GM/健部:「そっか。なんだろなぁ」
白雪:あ(ぽん☆ と手を叩いてからごそごそ)
GM/健部:「なんだ?」
白雪:ボタン電池っぽいもの。多分その人が消えた後に残っていたと思われるものです。
GM/健部:「なんだ、そんなものも残っていたのか。じゃあ室長に報告しておくか」
白雪:室長……(汗)
GM/健部:(棒読み)「俺ちょっと仕事が忙しいから、室長のほうに報告しておいて」
白雪:……じゃあケンコー君この実験の記録つけといてくださいます?
GM/健部:「わかった。実際に見たのはお前のほうなんだから、そっちで報告しておいてくれれば詳しいことが話せるだろう」
白雪:……うるうるうる。
GM/健部:「いや、分かってるよ? お前が室長苦手なの分かってるけどさぁ……俺も苦手なんだよ」(一同爆笑)
白雪:ひどいです、ケンコー君!(笑)
GM:というわけで室長のところに報告にいくといい。
白雪:室長室があるのかな? あ、いやその前に、室長がそのへんに転がってないか確認します。
GM:転がってる!?
白雪:えー、だって室長ならそのへんに転がって何かしててもおかしくないかなぁと。
GM:とりあえず、転がってません(笑)
白雪:では室長室に。深呼吸して覚悟を決めて……。コン、コン、コン。
GM/室長:「うむ。開いてないわけではない」
白雪:き、桐生ですけども失礼しますぅ〜。
GM/室長:「ああ、桐生君……か。君にはこの話し方のほうがよかった、かな?」(ぎこちない)
一同:ぶはははは。無理してるーっ(笑)
白雪:で、でも「お気遣いなさらず」とは言えないんです〜(笑)
GM/室長:「何か用が……あるのかな?」(一同笑)
白雪:実はですねぇ。今日かくかくしかじかす〜いすい、ということが起こりまして……。
一同:「す〜いすい」?(笑)
GM/室長:「で、その持っているのが……」
白雪:はい。残ったものではないかと思われるのですが、私機械は専門外なものでして。
GM/室長:「そうか……」

 室長は広げたハンカチにのせられた機械に視線を向けた。わずかな沈黙の後、白雪に対して指示を出す。
 人の形をしたものが跡形もなく崩れ落ちた。それは今武蔵蓮沼でおきている神隠し事件に関係するかもしれない。遥歌が調査しているので協力して解決に当たるように、と。
 それが天羽央樹の行方につながるかもしれない。あくまで可能性の話ではあるが、今はどんな小さな事件からでも手がかりを見つけたかった。

GM/室長:「このボタン電池みたいなものはこっちで調べておくか」
白雪:はい、お願いします。
GM/室長:「何か分かったら報告する」
白雪:はい。(にっこりと)じゃあ、これやってる間の仕事は、ケン……健部君のほうにお願いしますね♪
GM:頷いてから、室長はちょっとまじめな顔をして。
GM/室長:「天羽央樹失踪事件に関しては、あまりにも分からないことが多すぎる。ここまで情報が入らないわけがないんだ」
白雪:意図的に隠されている、と?
GM/室長:「それは私からは言えない。が、慎重にあたってくれ」
白雪:はい……。
GM/室長:「……ということは遥歌には言っていない」(一同笑)
研究所内の遥歌:あっれぇー?(笑)
白雪:ちょっと待ってください?(笑)
GM/室長:「遥歌に話すと、何をするかわからん」
研究所内の遥歌:なんでぇ?
どこかの瑠璃:だって、そんなこと言われたら「室長、あなた何か知っていますね」とかいって《止まらずの舌》とか言い出すでしょう?
白雪:ではこれは久遠寺さんには伝えないほうがいいんですかねぇ。
GM:まあそんなわけで遥歌君が担当しているから、合流して一緒に調べてくれ。
白雪:はぁい。

 白雪は室長室を辞すると遥歌と合流した。喫茶UGNで話をすることにした白雪は、ティーカップを前に自分が見たものの説明をする。

白雪:実は今日学校で、かくかくしかじかというわけなんですけども。
遥歌:ふむ……聞いたことのない話ですねぇ。ただ、あからさまに怪しいですよね、それ(ボタン電池みたいなもの)。分かりました……そういえばあなた天羽君知ってましたっけ?
白雪:あ、はい。仕事でご一緒したことが。
遥歌:彼ここ数ヶ月ずっと姿消してるんですよね……。
白雪:はい、心配していたんですけど……。
遥歌:情報出てきてないんですよねぇ。ここで鈴島翔子について調べてみます。
白雪:私もそれ調べてみていいですか?
GM:いいですよ。この話はUGN武蔵蓮沼支部内では有名な話だから。
遥歌・白雪:<情報:UGN>で(ころころ)
GM:鈴島翔子。UGNの研究者でオーヴァードです。新シンドローム『アイギス』の研究者。ご存知のとおり天羽央樹失踪事件の首謀者であります。が、UGNの研究者です。やめたという情報はどこにもありません。
遥歌:どこの支部に移ったとかは?
GM:まったくありません。つまり、UGNに所属している研究者だが、どこにいるか分からない。
遥歌:まぁUGNも内部はいろいろあって腐ってますからね……裏社会にあたってみます。

 さらっと不穏当な発言をするUGN所属の研究者。

GM:ではUGNで得た情報に加えて、非人道的な実験が目立つ研究者であったことも分かります。それでもUGNが抱えていたのは、その実績によるところが大きい。新シンドロームの研究に関しては右に出るものがいないんです。
遥歌:なるほどねぇ。だからUGNのお偉いさんがこちらに非協力的で、情報をブロックしているわけか。
GM:UGN全体として鈴島を探しているという情報もありません。そもそもUGNは各支部が独立して動いている面があって、動く正当な理由があるのが武蔵蓮沼だけ。
遥歌:天羽君囚われちゃってますからね。つまり、鈴島に対して「非人道的だからやめろ」という人はいないわけですよ。
GM:実はそれについてUGNは今、新進派と人道派にまっぷたつに分かれています。人道派としては武蔵蓮沼のこいのぼりとか、日本支部長の霧谷さん。
白雪:まぁ、そんなことになってたんですねぇ。
GM:レクイエム第1話でも武蔵蓮沼支部がなんか忙しそうだったじゃない? それにもこういう背景が関係していたみたい。
遥歌:ま、ありがちな話ですね。
白雪:ありがちですけど、嫌な話ですわ〜。
遥歌・白雪:…………。
GM:ね、ところで誰も事件について調べないの?
遥歌:いや調べますよ(笑)
白雪:警察にコネがあるので調べてみます(ころころ)
遥歌:行方不明になった人の名前とか住所とか分かりますか?
GM:警察は「そんな家庭の事情を言われてもなぁ」という感じで特に動いてはいないらしい。ただ名前は分かります。3人。
遥歌:その3人に共通点はありますか?
GM:3人で共通点って言われても難しいけど、まちまちだね。3人ともオーヴァードではありません。従って、第1話で起こっていたオーヴァードの行方不明事件とは別件と思われます。
遥歌:いつごろいなくなったんですか?
GM:ここ1週間くらいかねえ。身代金の要求も特になく、警察では家出とかで片付けられているようです。ただ、知り合いの家にころがりこんでいた、とかそういう結末を見ていないのがこの3人ということです。情報が出てきていない。
遥歌:なるほど、わかりました。では事件について<情報:裏社会>……へちょ。
白雪:(ころころ)12。
GM:事件については特に出てきません。ただ、最近些細な事件にも首を突っ込んでいるUGN武蔵蓮沼支部がこの件だけは手をつけていないことが分かります。
遥歌:それはオーヴァードがらみの事件ではない可能性が高いし、自然なことではないのかな?
GM:自然に見えるんですが、今、武蔵蓮沼支部は天羽央樹失踪事件の手がかりを得るためにどんな小さなことにでも絡んでいるんです。それなのに、これは絡んでいない。
遥歌:逆に言えば秘密裏に動いている? 支部ではなく、研究所が動いているわけで。
白雪:ちょっと不思議ですわねぇ。
遥歌:調べたいけど足が付かないようにしたい様子ですね。やっぱり上からの圧力がかかってるんじゃないですかね。
白雪:ですわねぇ……。
遥歌:何か言ってませんでしたか、室長は。
白雪:えーっと……。
遥歌:何か知ってるようなそぶりとか見せませんでしたか?(一同爆笑)
白雪:え、えーと。ちょっと考えます。
遥歌:……即答じゃないんですね。悩むようなことがあるってことですか?
白雪:びくびく。あ、あのですね……。
遥歌:まぁ、室長にも家族がいるでしょうし……(一同爆笑)
白雪:あ、あのですね、あのですねーっ!?
GM:悪役やー!
遥歌:え、いやちょっと台詞を最後まで……(汗)室長にも家族がいるでしょうから、下手なことを口にすると大変だからそっとしておいてあげましょう、と。
GM:全然フォローになってなくないか?(笑)
白雪:とにかく、前半聞いた時点でパニックですよ(笑)え、えーとですね、えーとですね、えーとですねー!? 情報がなさすぎてこう……ねぇ?(一同笑) 久遠寺さんにはおっしゃってないと、だから言わないほうがいいのかなぁと……。えとえと、怒られてます?
遥歌:いや、だから……あなたは室長から何か有用な情報を聞いたんですか? 聞いたんだったら話してくださると嬉しいです。
白雪:有用ではないと思いますけど……。不自然なまでに何もなくて……室長の口からは言えない、だそうです。
GM:最後まで言いやがった(笑)
白雪:だって(PC間ロイスの感情が)「恐怖」だもん! え、えとえとだからあの、その室長の家族には……(一同爆笑)
遥歌:(苦笑しながら)話を最後まで聞いていただいてよろしいでしょうか。「室長にも家族がいらっしゃるでしょうから、上から圧力がかかってしまうと言えないこともあるんでしょうね、大変ですね」って僕は言いたかったんですよ。
白雪:なんだか雰囲気がアレでしたし……。
遥歌:別に僕は家族を人質にとって云々なんて考えてないですよっ。
白雪:室長にも、お手柔らかにしてあげてくださいね……?
遥歌:何もしませんよ。ヘタなことをしてこっちに被害が来るのもごめんですから。
白雪:はぁ……。
遥歌:あ、最後に新シンドローム、『アイギス』でしたっけ? それについても調べてみます。
GM:はい。『アイギス』の特徴を一言で申し上げるならば「レネゲイド・ウィルスをコントロールするレネゲイド」。前回クライマックスで攻撃を喰らった人、侵蝕値が上がる攻撃をされたよね? あんな感じに侵蝕値を上げたり下げたりできると思われる。
遥歌:下げるほうもできるんだ?
GM:いや、まだ統計だっていないので「できるんじゃないかな」というレベル。エフェクトとしては整理整頓されていない。鈴島翔子が研究しているのはそんなシンドロームです。
遥歌:鈴島翔子はアイギス発症してるの?
GM:はい。この人はオーヴァードで、シンドロームはアイギス/オルクスです。
遥歌:えーと、彼女以外でアイギスの成功例は出てる?

 一瞬の沈黙。

GM:『成功例』って言ってる君は、新進派なんだなぁと(笑)
教会のシュージ:『成功例』じゃ実験の結果生み出されたって言ってるよぉ。
遥歌:え、違うの?(素)
GM:んっ(笑)
遥歌:僕としては天羽君がそうなっちゃってるんだとしたら、成功例があるなら逆に『生きている』んだなぁって思えるわけで。
白雪:でも『発症者』にしておきましょうよ〜。
GM:ま、その表現は遥歌君の個性ということで(笑)で、鈴島翔子と、そのパートナーだった男はアイギスの発症者でした。彼(加賀島)は侵蝕値を上げる系がメインだったみたいだね。とりあえずその2人しか報告されていません。で、この人の研究内容がそのアイギスシンドロームについてだったので、その発症者を見つけるなり作り出すなりすることも含まれていただろうということは容易に想像がつきます。
白雪:自分のクローンをたくさん作ってたりするのかしら……。
遥歌:ふむ。あ、そうだ。天羽君が最初に鈴島と接触したときに行われた実験について調べたい。

 さっき「最後に」って言わなかったっけ?

GM:少なくとも健康診断を装っていたことは確か。
遥歌:霧谷さんからの指令だったんですよねぇ……。霧谷さんに連絡を取ることはできますか? 話を聞きたい。
GM:今すぐには無理ですね。
遥歌:アポイントを取ることは? どういう流れでそんな指令を出したのか知りたい。霧谷さんから直接指令が出たというのは異例なことだと思うんです。
GM:ひとつ問題があります。どこを経由でアポイントメントを取りますか?
遥歌:(考えて)……叶歌。

 久遠寺叶歌。遥歌の双子の妹。ワークス:ネゴシエーター。

GM:なるほどっ(笑)つまり個人的コネを通じて連絡を取ろうとする、と。了解です。

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