青のレクイエム
第2話 漆黒のディスティニー

OPENING PHASE

◆Opening01◆Master Scene

 薄暗い研究室。その一角にあるポッドから1人の少年が起き上がった。正面には1人の女。周りにはコンソールに向き合った数人の研究者の姿が見える。
「……? ここは……? ……あなたは?」
 ゆっくりとあたりを見回し、少年は不安げに瞬きをした。女は、安心させるように笑みを浮かべる。
「おはよう。私は鈴島翔子。ここは……そうね、あなたの仕事場よ」
「……鈴島さん……。ごめんなさい、あなたのことが思い出せないんです……」
 しかし少年はかえって申し訳なさそうに俯いた。さらりとした黒髪が表情を隠す。
「……ボクは……ボクは……誰なんですか? 何も……思い出せない……!」
「そうね……ゆっくり説明するわ。今は落ち着いて、ね」
「……は、はい」
 鈴島と名乗った女は、笑みを崩さぬまま少年の肩に手を置いた。
「あなたの名前は……そうね、アイン、アイン=エイラスというのよ」
「アイン=エイラス……。それが、ボクですか……?」
「ええ、そうよ。大丈夫、そのうち思い出すわ。すぐじゃなくていい。ゆっくりでもね」
「……ごめんなさい」
「何を謝るの? あなたは選ばれた存在なのよ。……そのうちわかるわ」
「選ばれた……存在……?」

 その時、少年の背中から光り輝く羽根が広がっていった。白く、輝く。

※ ※ ※

「……まさか、本当に目覚めるとはねぇ……。信じられないわ」
 少年に向けたものとはまったく異なる声音が鈴島の口から零れた。傍らの研究員も、どこか興奮を隠しきれない声で応える。
「我々も驚きです。アイギス発症確率0.3%、アイン様覚醒確率0.05%……」
「ほとんどゼロ。まだ成功するプロジェクトじゃなかったはずよ」
「現に成功しています。しかも、飛び切り良好な状態で」
 力強く頷く研究員の言葉を聞きながら、鈴島は何か思い至った様子で呟いた。
「………特異点……」
「……は?」
「なんでもないわ。後はお願い。ちょっと調べたいことがあるの」
 弾かれたように動き出す鈴島。固い床に靴音を響かせながら背を向ける。
「わかりました」
「エイラス様にも報告しなければならないし」
 と、彼女が研究室を出た直後。コンソールの赤いランプが瞬き、緊迫した声がスピーカーから流れる。
『緊急! 緊急! 第3ラボから005が逃亡! 繰り返す! 005が逃亡!』
「なんだと! バカ者! 見張りはどうした!!」

シュージ/見張り:「うわー、もうだめだー」
GM:違います(笑)

『申し訳ありません。アイン様覚醒に気をとられて…』
「言い訳は後ほど聞く。005のドグマ・リミッター解除」

白雪:ドーマ・リミッター?
GM:ドグマ・リミッター。今はなんのことかわからなくていいです。

『了解。005のドグマ・リミッター、解除します』
 その指令により、研究所内の騒ぎは収まった。この場を任された男は、大きく息を吐くと、ちらりと見えない相手をにらんだ。
「………。005は暴走したんだな?」
『……は? いえ、そのような報告は……』
「暴走の後、第3ラボチーフの判断でドグマ・リミッターを解除。そうだな?」
 戸惑う声をさえぎり、『確認』する。
『は、はい。その通りです。』
「005はその場で崩壊。……よろしい」
『り、了解しました。そのように報告いたします』
 ぷつり。通信が切れた。

 廊下を一人歩く鈴島。
「やっぱり。ブラックボックス。これね」
 頷きながら、抑えきれない様子で笑みがこぼれる。
「ふふふ。面白い。面白すぎるわ。これは……使えるッ!!」

◆Opening02◆甲月シュージ

 央樹が行方不明の間、自身も狙われているとあっては部屋に1人で待っているわけにもいかず。シュージは真琴の居候先である聖ジュエル教会に身を寄せていた。時折、帰って掃除をしたり、央樹の行方を求めてUGNに向かったり。そうして事態は進展を見せず時間ばかりが過ぎていた、ある日。

シュージ:侵蝕値は(ころころ)7〜。
GM/薬王寺:「お久しぶりです、シュージさん」
シュージ:あ、こんにちは〜。……央樹君、見つかった?
GM/薬王寺:「それについてですが、天羽君失踪に関すると思われる情報が入りました」
シュージ:なになに?(喜)
GM/薬王寺:「入ったんですが……それを今、あなたに伝えるわけにはいきません」(一同爆笑)
シュージ:なぁんでぇーっ!? なんで僕に話せないのぉーっ!?
GM:話を聞くと「手がかりになる情報は手に入ったけど、それが何かは教えられない。ただ、情報があったということを伝えておきたい」という事らしい。展開はあったよ、と。
シュージ:(しゅーん)……僕にできることないの?
GM/薬王寺:「今はまだ、待ってください。今はまだ……でも、きっともうすぐ……」
シュージ:央樹君、見つかるよね?
GM/薬王寺:「……はい。続報が入り次第、また」
シュージ:お願いします。
GM/薬王寺:「ただ、不思議な手段をとるかもしれません」(一同笑)
シュージ:不思議な手段って……なぁに?
GM:矢文とか狼煙とか?(笑)
GM/薬王寺:「あと、これだけ伝えておきます。最近武蔵蓮沼で、特にUGNが解決に当たる必要もないような神隠し事件が起きています。今は、これしか言えません」
シュージ:そーなんだ……わかった(しゅーん)
GM/薬王寺:「真琴君はいますか?」
シュージ:じゃあ呼ぶね。真琴くーん。ぱたぱたと呼んでこよう。
GM/真琴:「なぁに〜?」ぱたぱたと出てこよう。
シュージ:うんとね、薬王寺さんがきてるの。
GM/真琴:「あ、そうなんだ。薬王寺さん、何かわかりましたかー?」
GM:で、さっきと同じやりとりを繰り返して終了(笑)
シュージ:しゅーん(笑)
GM:というわけでシナリオロイスは天羽央樹。
シュージ:じゃあ推奨が「尽力/不安」とのことなのでそのままで。尽力が表。

◆Opening03◆久遠寺遥歌

 武蔵蓮沼支部きってのチルドレン、天羽央樹がさらわれた。この事態は重く受け止められ、研究所でも支部と連携して捜索が行われていた。

遥歌:まぁ、前回の首謀者(鈴島)がUGNの研究者だったしね。
GM:ですね。そんなわけで室長が……扉の影からこう(小さく手招き)
遥歌:ちゃんと呼びにこないかなぁ。
GM:一歩近づいてまた手招き(一同笑)
遥歌:……はっきり呼びにきてくださいよ。口はあるんでしょう?
GM/室長:「…………」(口にチャックをかける仕草)
教会のシュージ:閉じたー(笑)
GM:というわけで室長室に入ると。
GM/室長:「最近、こんな話を聞いたり聞かなかったりしたような気がしないこともないかしら?」
一同:「かしら」?(笑)
GM:あれ?(笑)
遥歌:室長、今日の中身は女性ですか?
GM/室長:(棒読み)「あら、やだ」(一同爆笑)
GM:話すのは、武蔵蓮沼で起きている神隠し事件。ただし規模がせいぜい2〜3件であり、事件性も高くない。
遥歌:はぁ。そんな怪奇スポットの話をするために僕を呼んだんですか?
GM/室長:「それとだ。天羽君失踪事件についてだが……」
GM:天羽君失踪については、仕事が回ってきていたのであなたも知っています。しかし当初から手がかりが増えていません。ひとつ分かったのは新シンドロームの名前。『アイギス』と呼ばれています。で、鈴島翔子はあれからどこにいるか分からない。
遥歌:天羽君を連れて消えた可能性が高い。
GM:そうですね。で、さっぱり手がかりがないので、こんな事件でも何かしら手がかりがあるかもしれない。調べてくるように、という話です。
遥歌:……はぁ、なるほど。まあ、あなたがつながると言ったことはつながることが『不思議と』多いので話に乗ってもよろしいですよ。
GM/室長:「ありがとう」
一同:下手だー(笑)
教会のシュージ:偉そうにさせておけば言うこと聞いてくれるからでしょ?
どこかの白雪:ああ、踊らされてるんだ。
遥歌:そうそう(笑)
どこかの瑠璃:おにーさま、意外と単純だからね。
GM:ではシナリオロイスを。
遥歌:鈴島翔子〜。推奨は「執着」と「厭気」かぁ。ちょっと自分で決めさせてください。「遺志」と「憤懣」で。

◆Opening04◆桐生白雪

 放課後、白雪は茜色の光が差し込む廊下を1人歩いていた。もう、他の生徒は部活へ行くか帰路についてしまったのだろう。静まり返った廊下は少し寂しく、白雪はわずかに足を速めた。
 ―瞬間、身体がざわついた。

GM:あなたは学校を出るときに、たまたま周りに誰もいない、ひとりきりになるという状況になりました。そしてざわっと、レネゲイドが活性化する感覚が。どうやら近くでエフェクトが使われたような。
白雪:まぁ。
GM:何かしら、と見てみるとさっきまで何もなかったはずの場所―あなたが歩いてきた場所なので何かあれば気づいたはず―その場所に人の形のようなものが半分溶けかかった状態で……。
白雪:思わず身構えます。
GM:うん、気持ち悪いよ。人にしては牙が発達しすぎている。キュマイラだったら、あるいはジャームだったら普通にあるのかもしれない。で、身体が溶けかかっている。
白雪:一瞬気が遠くなりかけます、貧血起こして。
GM:一瞬くらりとしていると、向こうが気づきますね。身構えるあなたに片手を伸ばします。伸ばす間にも身体はどんどん溶け、骨があらわになり、骨も崩れ去って……。
白雪:ちょ、ちょっと<意志>判定していいですか(汗)……あ、回った(クリティカル)。駆け寄ります。
GM:駆け寄ると何かをしゃべろうとしているのが分かります。しゃべろうとして、呼気があるんだけど声が出ない。
白雪:耳を近づけます。
GM:声そのものが出ていないようです。そうして喋ろうとしている間にも身体は崩れていて、顔も崩れている。まるで何かを伝えたくても伝えられないことを泣いているかのようにも見えるけど、これは眼球が崩れ落ちているからなのか。
白雪:手をとろうとして……ためらうかな、一瞬。
GM:その間にも崩れていく。
白雪:ためらってから……きゅっ(両手で握りしめる)
GM:掴むと、ぐしゃっと手が崩れ落ちる。だけど少しだけ和らいだ顔になる。そのままどんどん崩れて骨だけになり、骨も粉々に崩れ……何も残らない。
白雪:何も残らない!? え、えーとえーと……(おろおろ)……け、ケンコー君助けてぇ〜!

 健部康昭。白雪の初期ロイスの一人。研究所での先輩兼相棒。

GM:ただ、骨も残らないんだけど、ボタン電池みたいなものが落ちているのが見つかる。
白雪:じゃあそれは触らないようにハンカチに包んで……ハンカチは何枚も持っています。新しいのを。
GM:ああ、なるほど。いつ血を吐いてもいいように。
白雪:吐きませんっ! ハンカチは怪我をした不良さんがいたら差し出すんですよ。とにかく混乱しているので研究所に電話をかけます。
GM:ではそんなところでシーンはフェードアウト。
白雪:わてわてわてわて。←慌てている擬音らしい
GM:目の前で崩れ去ったモノにロイスを取ってください。推奨「好奇心」だったんだけど……遥歌君を想定してたからな、好奇心は違うね(笑)
白雪:違います〜。恐怖も消えちゃったしなぁ。ここは「同情/憐憫」で。

◆Opening05◆如奈瑠璃

 武蔵蓮沼高校の、それはある意味“非日常”的な“日常”の授業風景だった。

GM:るりっちは普通に学校行ってるんだよね? サボりながら。
瑠璃:学校には割と普通に行ってるよ? 授業をフケたりはするけど。
GM:柊の授業です。あ、授業がワーディングで止まった(笑)
遥歌/柊:「なんだよぉ、今日は誰だ? 困るのはおまえらなんだからなぁ?」

 柊暁。武蔵蓮沼高校の教師。オーヴァードの多い武蔵蓮沼高校において、彼女の授業はよくワーディングで中断する(笑)要するに「授業サボって外に出ろ」とGMは言っているわけですな。

瑠璃:……お昼ご飯でも食べにいこ(後ろのドアから教室を出る)
GM:ではワーディングがかかっている中、てくてく歩いていると何もない空間から男が転がってきます。ごろごろっと。
瑠璃:(さらっと)楽しい?
GM/男:「うるせぇっ! 失敗しただけだ!」いててて、と頭を押さえて立ち上がります。見た感じは30代後半の……これ。

 示されたのはGMの持ちキャラのキャラクターシート。

GM/男:「俺は付渡透(ふわたり・とおす)、探偵をやっている」
瑠璃:へぇ。大変ね。探偵って転がらなきゃいけないんだ。
GM/付渡:「これは、仕事のうちじゃねぇ」
瑠璃:あ、違うんだ。趣味?
GM:えー、要するに《縮地》で飛んできたんですが、転んだんです。《縮地》の最中に転ぶってのもよくわかりませんが。最近そういうイメージがね(笑)

 何があったんだか。

GM/付渡:「で、だ。探偵の俺が頼むのも変な話だが、お前に依頼がある」
瑠璃:私に? 何。
GM/付渡:「お前、依頼人になれ」
瑠璃:……?
GM/付渡:「と言ってもわけがわからんだろうから説明すると、こいのぼりからの伝言。『最近起きている神隠し事件について調べて欲しい。ただしUGNのイリーガルとしてではなく……」
瑠璃:(さえぎって)あーあーあー。
GM/付渡:「つまり、お前が俺を雇えと言うことだ」
瑠璃:わかった! じゃあ報酬はこっそりこいのぼりからもらっといて。
GM/付渡:「あ、ああ。それはもちろん。まぁ、つまりだ。UGNが面倒なことになってるらしい」
瑠璃:何がどうなってるわけ?
GM/付渡:「この伝言自体も俺がこいのぼりから受けたわけじゃない。こいのぼりもどうやら『伝言ゲーム』をしているらしいんだ。足が付きたくないんだろうな、依頼していることを」
瑠璃:なるほど。
GM/付渡:「つまり、俺たちが普通の一個人として神隠し事件を調べている形にしてほしい、ということだろうな」
瑠璃:わかった。じゃあ『がんばってね』(一同笑)応援はしてあげるから。
GM/付渡:「ん、まぁ、そういうことだな……俺が探偵なんだからそれが基本だよな(笑)ま、でもお前もちょっとくらい調べたって罰はあたらねーと思うぞ?」
瑠璃:……見つかったら覚えといてあげる。
GM/付渡:「ん(汗)……よろしく(一同笑)じゃあ、お前が俺のパートナーってことだな。足を引っ張……りそうには見えないな」(笑)
瑠璃:引っ張らないでね(笑)
GM/付渡:「まぁ、よろしく頼むわ」(笑)
GM:というわけで依頼関係が成立〜。シーン終了〜。
瑠璃:推奨の「連帯感」、嘘っ(笑)

 一瞬悩んだ後。

瑠璃:なんだ、「同情」ってポジじゃん♪

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