少女は微笑み
待ち望んだその言葉を

◆Middle 08◆ Scene Player ―― 久遠寺 遥歌

 久遠寺遥歌と宮城三郎太は、とある高級マンション10階の一室前に立っていた。
 隣には高校生の姿に模して作った“従者”を1体引きつれて――

宮城 ここだなぁ? とんとん、ぴんぽーん。入生田様っておいででしょうか?
男(GM)『(インターフォン)入生田……入生田……なんのご用でしょうか?』
遥歌 あ、ちょっと旧知の者でして。
宮城 (きゅうち? きゅうちってなんだろう……???)
男(GM)『旧知……あー、ああ、なるほど。久遠寺君か
遥歌 !!!
一同 うあはははははははははっっ(爆笑)
男(GM)『まぁ、入り給え』

 なんの変哲もない玄関の奥には、ガラスが格子状にはまった扉が誘うように2人を待ち構えている。用心深い遥歌の制止を振り切って、宮城はあっさりと扉を開けた――

GM ドアの内側は、もやもや〜という感じ“どこでもガス”状態になってます。
入生田(GM)「ああ、ちょっと怖いかもしんないが……俺の領域につながってるだけだ、出口2つ作っといたんだな、今回は」
遥歌 ああ、なるほどー。どちらも正解だったんですねぇ。
入生田(GM)「そのとーり。会いたきゃ入ってくればいいさー。用件がしゃべるだけですむなら、そこでしゃべればいい」
遥歌 ではここでしゃべろうかな……お伺いしたのは他でもありません。また“妙ちきりん”な機械を作られたそうで(微笑)
入生田(GM)「“妙ちきりん”か、なかなか蠱惑的な褒め言葉だな」
舞 ほめてねーっっ(一同爆笑)
遥歌 あなたならそう仰ると思いました(にっこり)
入生田(GM)ああ、親愛なる息子よ
遥歌 ………………ま、まてぇええええええええええっっ??!!(←錯乱・混乱中)
一同 ぶあはははははははは!!!(机叩いて、大爆笑)
入生田(GM)「ははははははははは、冗談に決まってるじゃないかぁ。なんだ? それとも心当たりでもあるのか?」
遥歌 いえ……別に……な、ないんですけど……(ぜいぜい)
宮城 うあははは(笑)遥歌君負けてます、さっそく負けてます(笑)

 記憶のない遥歌君は、自分の存在自体に疑問があるため、“複製体”を造れる入生田にそのようなことを言われると、非常に揺さぶられるのです。

入生田(GM)「で、用事はなんだ?」
遥歌 で、その機械についてなんですが……もってまわったことを言っても仕方がないので、どんなものを造られたのか教えていただけませんか?
入生田(GM)「そりゃまた単刀直入でよろしい。ひとりの研究者が他の研究者の研究内容を単刀直入に聞くというのも、愉快な話ではあるなぁ」
遥歌 お褒め頂いて光栄です。
天羽 ほめてねーーっっ(一同爆笑)
宮城 な、なんだ? この高等なやりとりについていけねぇっ(笑)ケンカの相手なのか? 違うのか? 仲がよさそうだけど、言ってることは喧々(笑)
入生田(GM)「まぁなんだ、ぶっちゃけた話……お前ら知ってるからここきたんだろ?」
遥歌 そうですねぇ、エフェクト能力を上昇させるような、装備物を作られたというお話ですが、それは間違いないでしょうか?
入生田(GM)「エフェクトの能力を上昇させる装備……ああ、間違いない。現在、実験中だよ。試作品の1号機を使ってな」
遥歌 その実験とは、最近被害が頻発している“人体発火事件”……あれですね?
入生田(GM)「……あんたはUGN関係者だよなぁ、後ろにつながってる紐が見える以上、細かいこと答えると、まぁた研究施設ぶち壊されっちまうからなぁ」
遥歌 そうですねぇ。まぁ、所詮あなたは切っても切っても現れるので、最近ではUGNも諦めつつありますけどね。
入生田(GM)「それは賢明だ。どうしてお前らをこんなに簡単にここに入れたかというと――“お前らは俺を壊せない”からだしな」
遥歌 そういうこと、でしょうね(にっこり)“あなた”を殺しても“あなた”は壊せないんですよね。
舞 宮城君が大混乱中(笑)
宮城 そろそろ煙でてる(ぷすんぷすんぷすん)
入生田(GM)「だからあれだ、そこの頭から煙だしてる肉体バカを連れてきたところで、結局俺には役にたたねぇよ」……と、挑発してみよう。
宮城 ……………………は?! あれ今俺、話題に出た?(←気づいてない)(笑)
遥歌 あなたと争う気はないんですよ、入生田さん。無駄なことはしたくないんで。
宮城 今の言葉だけは耳に入った……あ、な、ないんだ(笑)ケンカ相手と違うのか。
入生田(GM)「無駄かどうかは、やってみねぇとわかんねぇぞぉ?」
遥歌 あなたを壊すのも心苦しい……そんな感情が何故か僕にはあるんですよねぇ。
入生田(GM)「しおらしいことをいってくれるねぇ」
遥歌 とはいえ、こんな腹の探りあいをやっていても仕方ないので……市内で実験を敢行しているのは、辻堂京さんですか? それともお気に入りの傭兵の彼女ですか?
入生田(GM)「お気に入りというわけではないが、優秀なサンプルが手にはいったんでなぁ。京は別の実験中だ。その居場所について、俺は“知らない”ということにしておく」
遥歌 ふうん、なるほど……別の実験、ねぇ。いつも傍らにおいていた京さんを手放してまで? 興味深いですね。
入生田(GM)「まぁ、聞きたければ――あとはなんとかして口を割らせるんだな」
遥歌 あ、挑戦された(笑)そうですねぇ、手荒な真似はしたくはないのですが、もっと詳しくお伺いしたいのも事実ですし……と、宮城君を連れて霧の中に入ります。

 霧を抜けた先には――散乱する資料が山積みになったデスクの前、椅子に腰掛けて意味深に笑う入生田成瀬がいた。

入生田(GM)「こんにちは。お久しぶり、と言うべきかな?」
遥歌 お久しぶりですね、入生田成瀬さん。
入生田(GM)「で、どうしてくれる?」
遥歌 そうですねぇ……最後にもう一度、素直にお話しをしてくだされば、あなたに危害を加えるつもりはありませんが、と言ってみよう。
入生田(GM)「……危害、ねぇ。ところでその脅し、俺にはなんの意味もないって、気づいてるよなぁ?(自分を親指で指して)コレに危害を加えたところで、しょうがないもんなぁ」
遥歌 そうですよね、複製体に危害を加えたところで、しょうがないですよね……と、さみしげに笑う。
入生田(GM)「自分がオリジナルと思ってりゃあ、オリジナルなんだよ」
遥歌 あなたはそう思ってるんですね。
宮城 あれ? 遥歌君の存在問答になってきたぞ?(笑)
入生田(GM)「そーだなぁ、俺的にはオリジナルというやつがこの姿をしていない、と確実に知ってしまってるからなぁ」
遥歌 へえ、そうなんですかぁ。それは初めて聞きました、驚きです。
入生田(GM)「そう」
遥歌 まるで押し問答のようですね(微笑)
入生田(GM)「よくご存知で」
天羽 何を今更(笑)
遥歌 ただ、その押し問答が楽しいらしい(笑)というわけで≪止まらずの舌≫≪ファクトリー≫……従者も居るので≪クロスアタック≫と。

≪クロスアタック≫は、従者と一緒にエフェクトを使用することで、相手の防御行動にダイスペナルティを与えるエフェクトです。

GM それはつまり、従者と2人がかりでやいのやいの言われるってことですか?(笑)
天羽 さー、しゃべってごらあん?
宮城 お、俺はなにをしゃべればいいんだ?(←勝手にかかったらしい)(一同爆笑)
遥歌 (ころころ)達成値は21です。<耐性>で抵抗どうぞ。ダイスペナルティが4つです。
GM 耐性? ダイスペナルティ? へー。(1このサイコロをPCの目の前でころがし、それは7で止まる)

 ――入生田成瀬。ダイスボーナスの増えない起源種であり【肉体】は1。

入生田(GM)「あーあー、うるさいうるさい。そんな言わなんでもしゃべるから……」
遥歌 では、これから質問することに、答えてください――さてと、どうしようかなぁ。
星川さんの止め方……四之宮さんに『俺はお前が好きだぁっ』と、言わせる?(一同爆笑)入生田がそんなの正しいって思ってるの、やだなぁ(笑)
宮城 しかし「そんなん知らん、星川次第だ」と言われて終りそうだなぁ。じゃあ機械の外し方?
舞 コツがあるのかもしれないねぇ。
宮城 右から三つ目のボタンを押して、左から3番目のスイッチを35度ひねって「開けゴマ!」と叫んでから機械を左右に開けて、今持ってる鍵を鍵穴につっこみー……。
遥歌 それ「あひゃー」って言ってる星川さんにやるの?
一同 むりぽーー(笑)
遥歌 まず……京の実験がどう関わってるかなんだよねぇ。“京ちゃんの実験内容を教えてください”
GM それが質問だとしたら「いやだ」で終るなぁ(笑)
遥歌 “……教えろ”
天羽 違うよ“なんですか?”だよ、質問なんだから。
遥歌 あー、そうか。なんでお願いしてるんだろう、僕は。
宮城 低姿勢だねぇ、やっぱ親父には弱いらしい(笑)
遥歌 くううう……反論できない自分に、胃が痛む(泣)
宮城 次の質問は“機械のある場所はどこだ?”
遥歌 星川真名の腕、とか言われて終りそうだなぁ。
宮城 じゃあ“星川真名はどこだ?”でもって、最後の1個は残しといて、発展させるってどーよ?
舞 最後の1個?――“あなたは僕の父親ですか?”
宮城 あー、それいいっ(笑)“キミはわたしの息子だー”(一同爆笑)
遥歌 ひぃっ、いーやぁあああーー(泣)で≪止まらずの舌≫効いてるんだよね? てことは真実で……どうしよおー、おうちに……久遠寺家に帰れないよぉーー(一同爆笑)
宮城 久遠寺遥歌君、今キミは人生の岐路にたっています。あなたがこの質問をするか否かで、大きく人生が変わってきます(笑)
遥歌 きかない、怖い。
天羽 怖いんかいっっ(笑)
宮城 そしてあひゃってしまって、精神に異常をきたしてだなぁ……「あ、これでひょっとして初恋の人との想いを遂げられる」と暴走し始める遥歌君。
天羽 と、いうわけで、入生田の手先になったお兄様が妹・叶歌の前に現れる(笑)
遥歌 うっ、まったくもって否定できない……(笑)

 と、まぁ――散々に遥歌君の精神を追いこむ大騒ぎのあと、質問が始まった。

遥歌 まず1つ目“辻堂京がやっている実験の詳細はなんですか?”
GM 詳細を聞くんだね……ふーん、わかりました。GMから言ってしまうと、本線には関係ないんだけどねー、でもね聞いてくれて嬉しい(一同笑)
 京ちゃんは、現在入生田の実験に基づいて行動している、という自覚はなく、“入生田から逃げている”と思っているはずです。彼女は完全に人工的に造られている存在で、そんな彼女に“自分の自由意思”というものが、どれぐらいの期間でどれぐらいの状態で作られるのか? を、見るための実験ですね。現在は横崎市に行っているということを把握していますね。
村瀬 こないだの百鬼夜翔のセッションだな(笑)
入生田(GM)「魂とか意思と呼ばれるものが、どのような過程で形成されるのかを、人工で実験しているのの、一端だな」
宮城 まぁ、目の前に実験の成功例がいるわけでー(遥歌君を指差す)
GM それは個体によって違うかもしれないしー。実験というのは、試行を何回かやることによってー……(笑)
遥歌 …………だめだ、なんか壊れそう(笑)魂とか言われると……ヤバイヤバイヤバイ、違うこと聞いてしまいそーだぁぁ。
叶歌 “お兄様はお兄様ですわー……”(一同爆笑)
遥歌 叶歌さんの声が聞こえて、か、還ってきたぞっ(笑)だからちゃんと質問を続けるぞー。2つ目“現在、武蔵蓮沼市で実験中のあなたが作り上げた機械の場所は、どこですか? どこにありますか?”
入生田(GM)「ふむ……相対的に答えると“恐らく今は、武蔵蓮沼市内に潜伏している、星川真名が所持しているはずだ”」
宮城・遥歌 星川さん、キタ━━━━━━(゜∀゜)━━━━━━ !!!!
遥歌 最後の質問どうしよっか……。
宮城 “あなたはわたしのお父さんですか?”
遥歌 聞かないっ(笑)星川さんを無事救う方法を考えたいわけですよ。からかうと、面白い玩具なので。とういうわけで、3つ目です。“星川真名の実験をやめさせて、彼女をジャーム化させず傷をつけず無事救う方法はなんですか?”
入生田(GM) その質問については演出上、にやりと笑って「無事とはどういう定義かね?」と聞きなおしますね。「キミたちは、5人の一般人を殺した人間が、そのまま元の状態に戻る方法を知っているのかね?」と。
遥歌 それについては四之宮さんのフォローを期待して(笑)しょうがないもん、心の問題は自分で克服しないと。
GM つまり心の問題は度外視してということですね。では、答えます。
入生田(GM)「まず“ジャーム化させず”だが、現在ジャーム化しているので、させずということは不可能だな。“傷をつけず”本人に傷をつけない方法はいくらでもあるな。“元の状態”機械を装着することで侵食率がめちゃくちゃあがっているだけなので、機械を外せばいい。そのあと上がった侵食率が下がるかどうかは、実験していないのでわからない」
GM あと、腕についている機械を外すことについてのゲーム的なルールですが、攻撃の命中判定と防御の達成値の差が20以上あったら、そこを狙えたということになります。
舞 エフェクトで「持ち物を落とす」≪グレムリンボム≫は?
GM ≪グレムリンボム≫で外すことはできません。体にかなり密着しているので。
舞 では“ダメージを与える変わりに、特定の装甲を破壊する”効果の≪崩壊の一点≫や≪腐食の指先≫とかは?
GM (考えて)それはありにしましょうか。受け損ねた場合は、ダメージが機械の装甲値を超えれば壊れます。受けた場合は、機械の装甲値を含めて考えて抜ければ壊れることにします。
遥歌 ソラリスの≪腐食の指先≫は<白兵>かぁ……まわせたっけ……。
天羽 お兄様<白兵>さー、≪闇夜の呪い≫で≪血族≫に糊付けしてまわせるよ?(笑)
宮城 従者が自爆してアイテムが壊れる……壮絶な絵面だな(笑)
遥歌 あ≪クロスアタック≫で、全ての技能くっつくのか。なるほど、ね。
入生田(GM)「ふむ、ぺーらぺらしゃべってしまったな。ま、3回ぐらいの質問を考えさせる余裕を与えるのも“親の役目”?(ニヤリ)」(一同爆笑)
遥歌 …………そんなに息子が欲しいんですか?
入生田(GM)「息子が欲しいんじゃねぇなぁ、からかいの対象が欲しいんだな、わははははははは……ま、もちろん。それが息子だったら言うことはないが?」
遥歌 あなたにとって僕は……。
入生田(GM)「ま、他人とは思えない、てとこか?」
遥歌 疲れますから、悩むのはやめにします(苦笑)さて、と……帰りますよ、宮城君。入生田さん、貴重なお時間をとらせてしまい、申し訳ありませんでした(深々と礼)
宮城 頭に“?”を浮かべたまま、部屋を出ます。
入生田(GM)「なんだー、闘わねぇのかぁ」
宮城 た、闘っていいの?
遥歌 ……橘さんになりたくないでしょう?
宮城 さー、帰るかあっっ。

入生田(GM) ここもバレたみたいだし、また引越しだなぁ……。

 ――ちなみに、付近での星川さん目撃情報については、実のあるものはひとつもありませんでした。

宮城 次は入生田成瀬のシーンです「言えんだろう、自分の息子に自分が父だなどと……」
遥歌 いやあああああああ(泣)
宮城 それなりに苦労している入生田(笑)「なあ、弥生」とかって何故か母親もいて。
天羽「また冗談にしてしか言えなかったよ……」
遥歌 うわーーーん(泣)

 そんな悲鳴と共にシーンは閉じていくのであった。


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